計画艦性能予想 Part4 十三号型巡洋戦艦

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はじめに

今回性能予想するのは十三号型巡洋戦艦です。日本戦艦は遠距離戦を得意とする傾向が非常に高いので、その逆の「接近戦が得意な戦艦」(雑に言うならば和製Ohio)というコンセプトで諸元を決めていきたいと思います。

 

史実

十三号型巡洋戦艦は八八艦隊の最後を飾る巡洋戦艦級です。常備排水量は47500トン程度で、46㎝砲を連装形式で4基搭載し30ノットを発揮する、という計画だったようです。Wikipediaや海外資料ではかなり詳細な要目が載っていますが本当はこれといった性能が定まりきってなかったらしいというのが実情で、画像検索してくると出てくる艦形図も平賀アーカイブが公開される前に作成されたため正確性に欠けているという話もあるようです。

 

十三号型の考察

未実装艦がWoWSに実装された際の性能を考察するにあたって最初に考慮に入れなければならないのは船体規模と主砲です。しかし先ほど述べたように同計画はまだ初期の段階にありその要目も諸説あります。そこで、私は既存の資料を基におおまかな性能をつくりあげることにしました。
参考にしたのは平賀デジタルアーカイブに載せられている掉尾六艦の計画案群で、船体はA案(排水量47600トン、主装甲305mm、30ノット)、主砲配置はK案(46㎝砲連装4基)をベースにしています。よって、後部2砲塔は(通説にあるような)背負式ではなく、金剛型のような感じで分離して配置している感じになります。

 

和製Ohioへの挑戦

就役時の性能でティア10に置くのはさすがに無理があるので、天城型と同様に近代化改装を施しました。私の描いた想像図では煙突を除いた上部構造物が大和型のようになっていますが、これは単にそうしたかっただけなので史実はガン無視です。

 

生存性

if近代化改装を施してもなお排水量はティア10としては小さくどれだけ盛ってもHPは80000弱になるでしょうし、天城型の系譜ということで全身32mmになることが予想されます。一方で水雷防御はクソデカバルジのおかげで軽減率45~50%と高めにすることができるので近距離戦時のアドバンテージになります。修理班のCTを半分にすることで回復の利便性を高めるという調整もいいかもしれません。

 

主砲

精度

ネックになるのは如何にして46cm砲を調整するかということになると思います。既存の日本戦艦の散布界は近距離戦闘に向いていないのでシュペー散布界(σ1.8)を採用してみたのですが「大口径砲+シュペー散布」はヤバいということが既に証明されているので、垂直方向の散布界を日本戦艦仕様に設定してガバくしました。σ値も考慮した場合のOhio, 大和, Thundererとの散布界比較のグラフを以下に示しておくので参考にしてください。

  散布界のグラフ(水平、垂直、楕円面積の順)[クリックで開閉]

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AP弾の性能

特徴づけのために独自の砲弾を採用しています。平賀デジタルアーカイブに載っている資料をもとに砲弾重量を1365kgに、その他もろもろのパラメータも弄って以下のグラフような貫通力になりました。18インチ級の砲としては非常に低い数値ですが、どちらにせよ32mm強制貫通ができるので重大な問題にはなりえないと思います。

 

18インチ砲の貫通力比較[クリックで開閉]

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副砲

和製Ohioをコンセプトにしているだけあって強力です。特に副砲としての長10cm砲はなぜかHEダメージも貫通力も優遇されており副砲特化のネタになりますが、耐久力がそこまで高くなかったはずなので爆風耐性をあげる調整も必要になってくると思います。
勿論副砲は長10だけではありません。本艦には計16門もの14cm砲が搭載されていますが、これもHEでは面白くない。そうです。AP副砲です。昔の日本艦艇の中口径副砲はAPを搭載していたので、そのコンセプトに跳弾優遇を添えて復活させました。

長10cm砲の装填時間を3秒、14cm砲の装填時間を8秒に設定した場合、片舷当たりの分間ダメージ量は434000に達します。この数値はGroßer Kurfürst (279400dmg) やOhio (308570dmg) を大きく上回り、さらに現環境最強クラスの副砲を持つSchlieffen (409856dmg) をも超えるものですが、これは14cm砲がAPだからです。代わりにこれがHEだった場合は416000dmgにまで落ち着き…あれっ?

精度はOhio、Georgia副砲のそれと同等の式を採用しています。

 

機動性

元の計画では30ノットを出すとされていますが、無理がありそうなので28.5ノット程度に落としました。これで弱かった場合はエンジンブーストも追加してみるのもいいかもしれません。その場合だとエンブ使用時に31ノット弱を発揮することが可能になります。WGだったらSmåland仕様のエンブを追加する可能性もありますが、それはさすがに属性を盛りすぎなのでここでは通常仕様に抑えます(唐突なSevastopolのコンセプトへの批判)。

 

こうしてできた性能が以下になります。

  詳細性能[クリックで開閉]

HP - 79700. 末端装甲 - 32 mm.

主砲 - 4x2 460 mm. 射程 - 20.5 km.
HE弾 最大ダメージ - 7300. 貫通力 - 77 mm. 火災発生率 - 30%. 初速 - 805 m/s. 
AP弾 最大ダメージ - 13900. 初速 - 780 m/s. 
装填時間 - 28.0 s. 180度旋回所要時間 - 45 s. 最大水平散布界 - 220 m. σ値 - 1.8.

副砲:
16x1 140.0 mm, 射程  - 7.3 km. 装填時間 - 8.0 s.
AP弾 最大ダメージ - 2700. 初速 - 850 m/s
8x2 100.0 mm, 射程  - 7.3 km. 装填時間 - 3.0 s.
HE弾 最大ダメージ - 1700. 火災発生率 - 6%. 初速 - 1000 m/s

短距離対空: 秒間継続ダメージ - 304, 命中率 - 85 %, 射程 - 2.5 km;
長距離対空: 秒間継続ダメージ - 203, 命中 - 75 %, 射程 - 5.8 km;
バブル爆発数 - 8, 爆発ダメージ - 1470

最大速力 - 28.5 kt. 旋回半径 - 950 m. 転舵所要時間 - 18.7 s. 
水上被発見距離 - 17.5 km. 

消耗品:
スロット1 - 応急工作班 
スロット2 - 修理班 
スロット3 - 戦闘機 / 着弾観測機
スロット4 - エンジンブースト

 

まとめ

AP副砲の採用や独自の垂直散布界といった日本戦艦の特徴を継承しつつ近距離戦に特化した珍しいタイプの艦艇として完成したと思います。下手したらOhioをも超える火力は対空の弱さと本体の生存性の低さでバランスを取っているつもりですが、もしかしたらかなりヤバい船になるかもしれませんしそこまでヤバくないのかもしれません。

余談ですが、2021年になってから発表された日本の新規艦艇は超艦艇やブラック系を除けば日向の1隻のみですし、技術ツリーに至っては春雲ツリー以降何も来ていません。
1アプデごとにほぼ1隻ペースで新艦艇が発表されている英国や米国、ここ1年半でツリーが3本実装されているドイツを見ると少し悲しい気持ちになりますが、きっとWGのことですし日本艦のネタを温存してくれているのでしょう。ですよねWGさん?