40年前の海外製ゲーム機を買って動かしてみた話

年末に大散財してしまった。後悔はしていない。

 

そうしてバイト代1ヶ月分をほぼ使い果たして手に入れたのがこれ。

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そう。

ATARI 2600である。

ナニソレ?という人も一定数いると思うので説明すると、これは1977年に米国のアタリ社から発売されたゲーム機。はじめてサードパーティー制度を導入し、北米における家庭用ゲーム機の定着に著しく貢献した伝説級の名機だ。まあ大ヒットしすぎて調子に乗った結果家庭用ゲーム市場を崩壊させかけたんですけどね

 

まずはこの本体のデザインを見てほしい。最近流行りの流線型なものとは異なり直線的な形状。黒をベースとしてところどころに暖色を取り入れ、本体前面には木目調の柄。さらに電源スイッチはレバー式。もういかにもクラシックって感じがして非常にベネ(良し)。これでもうご飯3杯はいける。

 

古いものである以上、動かす際になにかあるといけないのでまず中身のチェックをしていきたい。裏のネジを4本外すだけの簡単な作業なのでそこまでめんどいことにはならないだろう…

 

パカッ

 

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そこにはわりかしコンパクトめな基盤と、40年に渡って本体の中で溜まりに溜まった茶色いホコリ(ぼやけ処理済)があった。塵も積もれば山となるという諺があるが、まさにこの状況を指したものなんだなあとその時自覚した。

あまりにも多く刷毛では除ききれなかったので、本体のケースに関してはホースで全部洗い直してやった。

 

気を取り直して基盤を見てみるとやはり金属部分のサビがところどころ目立つ。下手に弄って壊したら嫌なので掃除は最低限にとどめたけど、後日改めてメンテナンスしてみることにする。

 

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軽くチェックしたところなんとか動きそうな雰囲気なのでそろそろゲームを遊びたいところ。

ここで大問題が発生。

このATARI 2600は45年前に発売された骨董品級の代物、当然映像の出力方式も45年前に標準だったものになる。もちろんHDMIなんかじゃないし、あの赤白黄の3本のケーブル(A/V出力)ですらない。
ATARI 2600で使われているのはRF出力と言って、映像信号をアナログ放送に使われている周波数にして放送電波に割り込ませる形でテレビに表示させる手法なのだ。したがって、デジタル放送にしか対応していない今のテレビではゲーム画面が映せない!

問題はこれだけではない。冒頭でも述べたようにこのゲーム機はアメリカで発売されたものだが、同じアナログ放送でもアメリカと日本では使用されていた周波数が全く異なる。つまり、アナログだろうとデジタルだろうと日本のテレビは全く使えない。ゲームができない。

 

あまりにも悲しすぎるオチ。ATARI 2600はただのレトロな置物になってしまうのか!?

 

 

 

 

 

 

 

救世主、登場。

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どうやら、このRF出力をHDMIに変換するというレトロゲーマーにしか需要のなさそうなコンバーターがあるらしい。思わぬ出費になってしまったが、ATARI 2600を漬物石にするよりは遥かにマシなので買った。

変換元をアメリカのアナログ放送3chと同じ周波数(97.25Mhz)に合わせ、放送形式もNTSCにして、と色々とめんどくさい設定を終わらしたあと、変換されるはずのHDMI映像をPCに表示するためのキャプチャーボードを接続。

あとはATARI 2600にソフトを挿し込んでレバースイッチを上にして…

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動いたー!!!!!!!!!!!

くぅ~疲れましたw これにて完成です!

最後はこのゲームを買うときについでに入手したソフト4本を紹介して終わらせたいと思う。

 

1. SPACE INVADER

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昔のゲームを知らない人でも知っているであろうレベルの名作。迫りくるエイリアンたちを撃ち落とすだけのシンプルなゲーム。
VCの画面共有で見せたら得点表示がでかいって言われた。たしかに。(ATARI特有のクソデカ表示)

 

2. VIDEO PINBALL

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タイトルでも分かる通りのピンボールゲーム。玉を撃ち出したあとはひたすら画面を眺めるのと時々フリッパーを動かすだけ。時代が時代なので仕方がないが、ギミックがあまりにも少ないので正直つまらない。よほどのこだわりがない限りWindowsピンボールゲーをやったほうがマシ。無料だし。

 

3. SWORD QUEST FireWorld

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4作で構成されているソードクエストシリーズのうちの第2作。付属する説明書やコミックも活かして謎を解き明かし、そうして選ばれた者同士がATARI本社で競い合いガチモンのお宝を手に入れるというめちゃくちゃ大規模なリアルお宝探しゲーム。

Sword Questに関するレビュー動画があるので詳しくはこちらを見るべし↓

youtu.be

 

4. MISSLE COMMAND

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空から降ってくるミサイルやUFOを迎撃するゲーム。地上に設置されている6つの施設(スクショの青いやつ)が全て破壊されるとゲームオーバーになるのだが、時間が経てば経つほど難易度が高くなっていく。個人的に一番買ってよかったゲーム。楽しい。

 

 

見れば分かる通りATARI 2600のグラフィックは今から見ればお世辞にもいいものではないし、ゲーム内容も非常に単純なものが多い。うまく説明できないけども、想像力すら掻き立てられるこれらのゲームは間違いなく最高。それがATARI 2600、ひいては昔のゲームの強みなのだ。ATARI万歳、レトロゲー万歳。